中学の頃から不定期に付けていた日記は全部で四冊になって、これ以上増やすのはやめよう、と思った。
音楽を聴きにいった。暗闇にぼうっと灯る照明が印象的だった。
演奏のあいだじゅう、目を閉じていたら、ちいさかったころのことを次々と思い出した。どれも鮮明に浮かんで通り過ぎていった。
それからまぶたの奥の私は、だんだんおおきくなって、でも、今のわたしよりみんなちいさかった。だからいとおしくなった。家族や友人や遠くにいるひと、死んだ大吉のことも思い浮かべた。なんて素晴らしい夜だったんだ。
最後に演奏してくれた、灯台 という曲のメロディが、染み付いて離れないおみやげになった。