2017/06/08
















裸足で草の感触を楽しんで、土の柔らかさを確かめる。時間は長く、ゆっくりと刻まれ、風に吹かれて、野の花がそよいだ。暑くて、蒸していても、夜がカーテンをひけば、皆静かに目を閉じた。暗闇を歩いていたら、そのうちぼやけた月を見つけて、もう少し、力をつけた。そんな今があった。私が何人もいるんじゃない。世界がいくつもある。この景色の中と外、茎の表と裏、車窓で見るうちに顔馴染みになったような家や、細い道、畑や物干し竿。一度だってその地を踏んだことすらないのに! 世界は誰にも関係なくあって、知っていて知らないことだらけで、それでも私の大好きな場所になる。いつもありがとう。導いてくれていて、どうもありがとう。